伊坂幸太郎の本が多すぎる

7月2日。夏の日です(本当にそうかは知りませんが)。

夏になると、新潮・角川・集英社の3社が「夏の読書キャンペーン」を展開します。毎年3社のキャンペーンカタログを見て「今年はこれを読もうかな」など考えるのが楽しみな私。

ということで、今回は読書のお話。

こういった読書キャンペーンでもおなじみの作家である伊坂幸太郎。私の好きな作家のひとりであります。

その伊坂幸太郎。最近本を出しすぎです。

3月の「夜の国のクーパー」を皮切りに、5月からは新潮文庫が伊坂幸太郎の作品を3か月連続で刊行。さらに集英社文庫から「仙台ぐらし」が出版され、この4か月で5冊の文庫本が出たわけです。

それで私がどうしたか。「夜の国のクーパー」は単行本で持っているから買わなかったけど、残りの4冊は買いました(笑)その中でも新潮文庫から出た「あるキング」に至っては、単行本も文庫本も持っているのに(文庫本は大幅に加筆・修正がなされていたので購入した)、雑誌に連載されていた当時のヴァージョン、単行本版、文庫本版の3種が収録された完全版だから買うという(笑)出版社からすればまさに「カモ」でしかない状態です。

ただ、買ったはいいですけど、なかなか読む時間はなく、積読状態に…。なんとか本日、写真にある「仙台ぐらし」を読み終えました。

「仙台ぐらし」は『仙台学』という雑誌に寄せていた伊坂幸太郎のエッセイをまとめたもの。それに加えて特別読み切りなども収録してあります。

エッセイのタイトルをすべて「○○が多すぎる」にしているので、今回のブログタイトルもそれに倣って「伊坂幸太郎の本が多すぎる」にしました。

内容は伊坂幸太郎の仙台での暮らしについて。といっても、特別なことはあまりなく、仙台でのタクシーや書店、コーヒーショップなどでの日常的な出来事を、伊坂幸太郎らしい、いい意味で肩の力が抜けたタッチで描いています。

後半には震災後のことも。印象に残ったのは、無力さを感じたくだりと、それでも最後は伊坂幸太郎が「僕は、楽しい話を書きたい。」と思えるようになったこと。無力さを感じても、今やっていることをやり続けるしかない、自分がやるべきことをやっていれば、道は開ける。きっとそれが人生において重要なんだなと、漠然と思いました。

最後に収録された短編小説「ブックモビール」は震災後に被災地を回る移動図書館のお話。移動図書館についてはまた別の機会で述べたいので、「仙台ぐらし」についてはこのくらいで。

震災前の仙台と、震災後の仙台。傷を負い、その傷は治らないかもしれないけど、それでも歩いていく。なんだかほっこりとした気持ちになれる本でした。


集英社文庫のキャンペーンについても一言。

今集英社文庫の本を買うと、シリコン製の「踊っても滑らないしおり」をもらえます。

今年はキャンペーンのタレントが「三代目J Soul Brothers」の山下健二郎さんということで、「踊る」なんでしょう。


そういえば、なぜか新潮文庫も買ったらしおりをもらえますね…。

しおりプレゼントがブームなんでしょうか?