「伝える」ではなく「伝わる」

「コミュニケーション能力が大事」とよく言われる現代社会。

だけど、どうやったらコミュニケーション能力が高くなるの、そもそもコミュニケーションについて学んだことなんかない、という人が多いと思います。

そんな人におすすめなのが、今回の本である『伝わっているか?』。


「伝わっているか?」というタイトルで表紙にイルカの絵。こういう親父ギャグは嫌いじゃないけれど、本の場合、出落ちとなることが多々あります。

だけど、この本は違いました。


この本は、コミュニケーションで大切なのは「伝える」ことではなく「伝わる」ことだと言います。

多くの人がコミュニケーションの際に「うまく伝えたい」と思いがちです。だけど、「伝える」では自分中心となって、自分の考えを押し付けるだけになってしまうことがしばしばあります。

対し、「伝わる」は相手の立場に立って考え、相手が共感できるように言うことが必要となります。相手が共感するから、コミュニケーションは成り立つのです。


でも、そうはいっても、「伝わる」手段がわからない。その「伝わる」手段を、表紙にも描かれているイルカがゲイバーで悩み相談という形で紹介します。

一見可愛らしいイルカが説明するから、堅苦しくなく、読みやすい。しかも、悩み相談の内容が、「きれいな人を合コンに誘いたい」だの「上司にアイデアを認めてもらいたい」だの「部下に尊敬される上司になりたい」だの、ほとんどの人が一つはあてはまるだろうものなのです。

だから、興味を持つことができるし、共感できるので、手段が頭の中にすんなり入りやすい。

考えてみると、これも本書で紹介されている手段の一つなんですね。おそるべし。


本書で述べられている手段を駆使し、「伝える」意識から「伝わる」意識に変えて言葉を使っていけば、すれ違いも少なくなり、人々がより楽しく生活できる。すなわち、「言葉を変えれば世界が変わる」。

本書はそうなることを願っています。

この本を読んで、コミュニケーションをとるのは楽しいと思えるような人が増えればいいなぁ。